君は、サクラほど注目されません。
テレビでも、「ちらほら咲きです」「満開です」なんて、放送しません。
だから、気がつくといつの間にか咲いているという感じです。
でも、わたくしは君が好きです。
君は雨に打たれるたびに、頭を垂れてしまいます。
(ああ、かわいそうに)
でも、大丈夫です。
翌日には元気に、白い花を天に向けています。
毎朝、愛犬ばろん号との散歩のときに、
君に挨拶します。
(今朝も、君は、笑顔だね)
先日 亡くなった お隣の おばあさまが育てました。
おばあさまの笑顔のように、
にっこり、咲いているのです。
花が消えてしまってからも、わたくしの心の中ではいつも、
君は満開です。
ハナニラ。
(紫 麻乃)
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