その51
 小さなしぐさにも、敏感になろう。


 

 朝、公園の近くを散歩していたら、
 「カルガモ 横断注意」の標識が目に飛び込んできます。

 この公園のあたりは、よく散歩するのですが、今まで気づきませんでした。

 標識の絵柄が、親のカルガモ1羽が先頭に立ち、
 子供のカルガモ1羽が後ろからついてくる図です。
 先頭の親カルガモが、右の翼を上げて、「道を横断しますよ」と合図しています。

 たしかに、この公園には池があって、カモが泳いでいます。
 でも、標識まであるとは。

 「へえ」って、見とれていると、車道を横切っていく集団がいます。
 カルガモではなくて、人間の子供たちです。
 幼稚園生くらいかな?

 1人1人が、車が来ないか、キョロキョロ見回してから、さっと道を渡ります。
 1人が済むと、次の1人、また次の1人……。

 子供たちの列が、小さなカルガモくんたちの列に、見えました。

    *

 運転手のみなさま、わたくしのように、カモの標識に見とれていないで、
 子供たちにも、お気をつけあそばせ。


 (紫 麻乃)

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